アメフト(アメリカンフットボール)のルールは、細かく見ると本が1冊できるほどあります。でも、試合を観て楽しむのに必要なのは、ほんの一部。この記事では、NFL(アメリカのプロリーグ)の公式ルールをもとに、最初に知っておきたい基本を図解でまとめました。くわしく知りたい項目は、それぞれの解説記事へ進めるようにしています。
アメフトのルールを、3行で。
11人対11人の「陣取りゲーム」
ボールを相手陣地の奥(エンドゾーン)まで運べば得点。
4回の攻撃で10ヤード進めば、また4回
進めなければ、攻撃権が相手に移ります。
タッチダウン6点、フィールドゴール3点
60分の試合で、点数が多いほうが勝ち。
1. 人数とチーム:フィールドに立つのは11人
フィールドに立てるのは、1チーム11人ずつ。ただし同じ11人がずっとプレーするわけではありません。攻撃(オフェンス)、守備(ディフェンス)、キックの場面(スペシャルチーム)で、出てくる選手がまるごと入れ替わります。交代は何度でも自由です。
NFLでは、1チームの登録選手(ロースター)は53人。そのうち試合でプレーできる選手として登録できるのは最大48人です(オフェンスラインを8人以上含む場合。そうでなければ47人)。
ポジションごとの役割は、アメフトのポジション解説で1人ずつ紹介しています。
2. フィールド:100ヤード+両端のエンドゾーン

フィールドは全長120ヤード(約110m)、幅53⅓ヤード(約48.8m)。真ん中の100ヤードを挟んで、両端に奥行き10ヤードの「エンドゾーン」があります。5ヤードごとに線が引かれ、10ヤードごとに数字が書かれています。数字は50(真ん中)に向かって大きくなり、そこからまた小さくなります。
ラインやハッシュマークの意味は、アメフトのフィールド解説でくわしく。
3. ダウン:4回の攻撃で10ヤード

アメフトのいちばん大事なルールがこれです。攻撃側は、4回の攻撃(ダウン)のうちに10ヤード(約9.1m)進めば、また新しく4回の攻撃権がもらえます。これを「ファーストダウン(の更新)」と呼びます。
中継の画面に「3rd & 2」と出ていたら、「3回目の攻撃で、あと2ヤード」という意味です。4回目(4th down)まで追い込まれると、チームは次の3つから選びます。
- パント:ボールを遠くへ蹴って、相手の攻撃を自陣から遠ざける
- フィールドゴール:届く距離なら、キックで3点を狙う
- そのまま攻める:失敗すると、その地点から相手の攻撃になる(ターンオーバー・オン・ダウンズ)
数え方の例と、プレーが止まるタイミングはダウンの解説記事で。
4. ボールの進め方:ランとパス
1回の攻撃(1プレー)は、センターが股の間からボールを後ろへ送る「スナップ」で始まります。進め方は大きく2つ。
- ラン:ボールを持って走る。QBからRBへ手渡す(ハンドオフ)のが基本形です。
- パス:前へ投げる。前へのパスは1プレーに1回だけで、プレーが始まった位置(スクリメージライン)より後ろから投げる必要があります。横や後ろへのパスは何回でも可能です。
プレーが止まるのは、ボールを持った選手がタックルされて倒れたとき、サイドラインの外に出たとき、パスが誰にも捕られずに地面に落ちたとき(パス失敗)、そして得点が入ったときです。
5. 攻守が入れ替わるとき
- 得点が入った(得点したチームがキックオフして、相手の攻撃になる)
- 4回目の攻撃で10ヤードに届かなかった、またはパントを蹴った
- パスを相手に捕られた(インターセプト)
- 落としたボールを相手に拾われた(ファンブル・ロスト)
インターセプトとファンブル・ロストをまとめて「ターンオーバー」と呼びます。試合の流れを大きく変えるプレーです。
6. 点数の入り方

| 得点 | 点数 | どうやって |
|---|---|---|
| タッチダウン(TD) | 6点 | ボールを持って相手のエンドゾーンに入る、またはエンドゾーンの中でパスを捕る |
| トライ(キック) | 1点 | TDのあと、15ヤード線からのスナップでキックを決める |
| トライ(2ポイント) | 2点 | TDのあと、2ヤード線からもう一度プレーしてエンドゾーンに入る |
| フィールドゴール(FG) | 3点 | ゴールポストの間(バーの上)にキックを通す |
| セーフティ | 2点 | 攻撃側の選手が、自分のエンドゾーンで倒されるなど(守備側の得点) |
タッチダウンとキックのトライで7点、が一般的な得点のかたまりです。くわしくは点数の入り方の解説へ。
7. 試合時間:15分×4クォーター
試合は15分×4クォーターの計60分。第2クォーターと第3クォーターの間にハーフタイム(NFLの規定は13分)があります。パスが失敗したときや、選手がサイドラインの外に出たときなどに時計が止まるため、実際の試合は3時間前後かかるのが一般的です。
各チームのタイムアウトは前半・後半それぞれ3回。前半と後半の残り2分には「ツーミニッツ・ウォーニング」という自動的な中断があります。同点で終わると延長戦。NFLのレギュラーシーズンは延長10分で、それでも決着がつかなければ引き分けです。
時計が止まるルールや延長戦のしくみは、試合時間の解説で。
8. 反則と黄色い旗

反則があると、審判が黄色い旗(フラッグ)をフィールドに投げます。プレーが終わると審判が反則の内容を説明し、反則したチームは5・10・15ヤードのいずれかを下げられる(罰退)のが基本です。守備側の反則のなかには、罰退に加えて自動的にファーストダウンが与えられるものもあります。
反則を受けた側は、罰を「受けない(ディクライン)」ことも選べます。たとえば反則があってもプレーで大きく前進できたなら、その結果を残したほうが得だからです。
よく出る反則の一覧は反則一覧の記事にまとめています。
9. チャレンジとリプレー:赤い旗
審判の判定に異議があるとき、ヘッドコーチは赤い旗(チャレンジ・フラッグ)を投げて、ビデオでの確認を求められます。チャレンジは1試合2回まで。2回のうち1回でも判定が覆れば、3回目が使えます。判定が覆らなかった場合は、タイムアウトを1つ失います。
なお、すべての得点プレー、ターンオーバー、トライなどはチャレンジがなくても自動的にリプレー確認の対象です。前半・後半の残り2分以降と延長戦も、確認はリプレー担当の審判が行います。
10. よくある質問
アメフトとNFLは、何が違う?
アメフトは競技の名前、NFLはアメリカのプロリーグの名前です。32チームが所属し、毎年2月の「スーパーボウル」で優勝を決めます。NFLの基本はこちら。
アメフトは何人でやる?
フィールドに立つのは1チーム11人です。攻撃・守備・キックで選手が入れ替わるので、1試合に出場する選手はもっと多くなります。
アメフトとラグビーの違いは?
いちばん大きな違いは、アメフトには「4回で10ヤード」のダウン制と、前へのパスがあること。人数(ラグビーは15人)や点数の数え方も違います。アメフトとラグビーの違いで表にしています。
NFLは1年に何試合? チームはいくつ?
1チーム年間17試合(18週)で、全部で32チーム。AFCとNFCに分かれ、さらに4チームずつ8つの地区に分かれています。NFLの試合数とNFLの地区分け一覧へ。
ボールや防具は?
NFLの公式球はウィルソン社の「The Duke」。選手はヘルメットとショルダーパッドを中心に全身を守ってプレーします。アメフトのボールとアメフトの防具へ。
中継で聞く言葉がわからない
「サック」「ブリッツ」「ヘイルメアリー」など、よく出てくる言葉はアメフト用語集にまとめました。
日本からNFLを観るには?
日本からNFLを観る方法で、配信サービスと放送予定をまとめています。
アメフトのルール・ガイド(全9本)
アメフトのルールを簡単に(全体まとめ)
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出典:NFL Football Operations(2025年版公式ルールブック、ルール変更の発表)。写真:2021年の陸軍対海軍の試合(大学)。U.S. Naval Academy Photo Archive(パブリックドメイン/Wikimedia Commons)。図版:TOUCHDOWN FLICKZ作成。



