楕円のボールを持って走り、相手の陣地の奥を目指す。アメフトとラグビーはよく似ていますが、実はルールの考え方がかなり違います。いちばん大きな違いは、アメフトには「4回で10ヤード」のダウン制と、前へのパスがあること。表で比べてみましょう。
この記事の目次
1. アメフトとラグビーの違い一覧
| アメフト(NFL) | ラグビー(ユニオン) | |
|---|---|---|
| 1チームの人数 | 11人 | 15人 |
| 試合時間 | 15分×4(60分)。時計がよく止まる | 40分×2(80分) |
| 前へのパス | 1プレーに1回できる | できない(後ろへのパスだけ) |
| ボールを持たない選手へのブロック | できる | できない(オブストラクション) |
| 攻撃の区切り | 4回のダウンで10ヤード | 区切りなく続く |
| 主な得点 | タッチダウン6点、フィールドゴール3点 | トライ5点、コンバージョン2点、ペナルティゴール3点 |
| 選手交代 | 何度でも自由 | 人数に上限がある |
| 防具 | ヘルメットと肩パッドを着ける | ヘルメットは着けない |
ここではラグビーは、ワールドカップなどで行われる15人制のラグビーユニオンで比べています。
2. 前へのパスとブロック
ラグビーでは、ボールを前に投げることはできません。パスは横か後ろだけです。アメフトは、プレーが始まった位置(スクリメージライン)の後ろからなら、1プレーに1回、前へパスを投げられます。これがアメフトの長いパスプレーの源です。
もう1つの違いが「ブロック」。アメフトでは、ボールを持っていない選手が、ボールを持った味方のために相手の進路をふさげます。オフェンスラインという「壁」専門のポジションがあるのはそのためです(ポジションの解説)。ラグビーでは、ボールを持たない選手が相手の進路をふさぐと反則(オブストラクション)になります。
3. ダウン制:アメフトはプレーが毎回止まる
ラグビーは、タックルされてもボールを奪い合いながらプレーが続きます。アメフトは、タックルで相手を倒せばそこで1プレーが終わり、次のプレーは仕切り直し。攻撃側は4回のうちに10ヤード進まなければなりません(ダウンの解説)。
プレーが毎回止まるので、アメフトは1プレーごとに作戦を変えられます。攻撃・守備・キックで選手が入れ替わる、専門職のスポーツになったのもこのためです。
4. 点数の数え方
| アメフト(NFL) | ラグビー(ユニオン) | |
|---|---|---|
| ゴールに運ぶ | タッチダウン 6点 | トライ 5点 |
| その後の追加点 | キック1点/プレーで2点 | コンバージョン(キック)2点 |
| キックでの得点 | フィールドゴール 3点 | ペナルティゴール、ドロップゴール 各3点 |
| そのほか | セーフティ 2点 | ペナルティトライ 7点 |
ラグビーのトライは、ボールを相手のインゴールの地面につける必要があります。アメフトのタッチダウンは、ボールを持ってエンドゾーンに入るか、ゴールラインの真上をボールが越えれば成立し、地面につける必要はありません。
5. ボールと防具
アメフトのボールはラグビーより細長く、先がとがった形です。NFLの公式球は長さ11〜11¼インチ(約28cm)、重さ14〜15オンス(約400〜425g)。ラグビーボールは重さ410〜460gで、アメフトより丸みがあります。アメフトのボールが細いのは、前へ投げるパスを投げやすくするためと言われています。
アメフトの選手はヘルメットと肩パッドを着けてプレーします。ラグビーでは、ヘルメットのような硬い防具は使いません。
6. どちらも同じルーツ
アメフトは、19世紀のアメリカの大学で、ラグビーやサッカーをもとに生まれました。1880年代に、イェール大学のウォルター・キャンプらが中心になって、スクリメージで攻撃を始めるルールや、決まった回数のうちに前進しなければならないダウン制を取り入れ、ラグビーとは別の競技になっていきました。
アメフトのルール・ガイド(全9本)
アメフトとラグビーの違い
いま読んでいる記事
出典:NFL Football Operations(2025年版公式ルールブック)、World Rugby「Laws of the Game」、Wikipedia「Comparison of American football and rugby union」「Walter Camp」。写真:1936年、海軍士官学校対ウィリアム&メアリー大の試合(大学)。Harris & Ewing(パブリックドメイン/Wikimedia Commons)。



