アメフトの中継で、審判が黄色い布を投げる場面。あれが反則の合図、「フラッグ」です。反則が出ると、反則したチームはヤードを下げられたり、攻撃権の回数を失ったりします。この記事では、NFLでよく出る反則を、罰の重さ別に一覧にしました。
1. 黄色い旗(フラッグ)が出たら
審判は反則を見つけると、黄色い旗をフィールドに投げます。多くの場合プレーはそのまま最後まで続き、終わったあとに審判がマイクで反則の名前と、反則した選手の背番号を説明します。
反則の罰は、主に次の組み合わせです。
- 罰退:反則したチームを5・10・15ヤード下げる
- 自動的にファーストダウン:守備側の一部の反則では、罰退に加えて攻撃側に新しい4回が与えられる
- ダウンの消化(ロス・オブ・ダウン):攻撃側の一部の反則では、その回の攻撃が1回分カウントされる
ちなみに、ヘッドコーチが投げる赤い旗は反則ではなく「チャレンジ(ビデオ判定の要求)」の合図です。
2. 罰退ヤードの早見表

3. 攻撃側がよくする反則
| 反則 | 罰 | どんな反則 |
|---|---|---|
| フォルス・スタート | 5ヤード | スナップの前に、構えていた攻撃側の選手が動く |
| イリーガル・フォーメーション | 5ヤード | スナップのときの並び方がルール違反(ライン上の人数が足りないなど) |
| イリーガル・シフト/イリーガル・モーション | 5ヤード | スナップ直前の動き方がルール違反 |
| ディレイ・オブ・ゲーム | 5ヤード | プレークロック(40秒または25秒)が0になるまでにスナップしない |
| オフェンス・ホールディング | 10ヤード | ブロックで相手をつかんで止める。最もよく見る反則の1つ |
| イリーガル・ブロック・イン・ザ・バック | 10ヤード | 相手の背中側からブロックする |
| オフェンスのパス・インターフェアランス | 10ヤード | パスが飛んでいる間に、レシーバーが守備の選手を押すなどして妨害する |
| インテンショナル・グラウンディング | 10ヤードまたは反則地点+ダウン消化 | サックを避けるために、捕れる選手がいない方向へわざとパスを投げ捨てる。自陣エンドゾーンから投げるとセーフティ(相手に2点) |
| イリーガル・フォワード・パス | 5ヤード+ダウン消化 | スクリメージラインを越えてから前へ投げる、1プレーで2回前へ投げる |
| チョップ・ブロック | 15ヤード | ほかの選手と組み合っている相手の、ひざのあたりにブロックする危険なプレー |
| クリッピング | 15ヤード | 相手の背後から、腰より下にブロックする |
4. 守備側がよくする反則
| 反則 | 罰 | どんな反則 |
|---|---|---|
| オフサイド | 5ヤード | スナップの瞬間に、スクリメージラインを越えている |
| エンクローチメント | 5ヤード | スナップ前にラインを越えて、攻撃側の選手に触れる |
| ニュートラルゾーン・インフラクション | 5ヤード | スナップ前にラインを越えて、攻撃側の選手を反応させてしまう |
| ディフェンス・ホールディング | 5ヤード+自動ファーストダウン | パスの守りなどで、相手をつかんで止める |
| イリーガル・コンタクト | 5ヤード+自動ファーストダウン | パスが投げられる前に、5ヤードより先でレシーバーに接触する |
| ディフェンスのパス・インターフェアランス | 反則地点から攻撃+自動ファーストダウン | パスが飛んでいる間に、レシーバーの捕球を妨害する。エンドゾーン内なら1ヤード線から |
| ラフィング・ザ・パサー | 15ヤード+自動ファーストダウン | パスを投げ終えたQBに、不必要に強く当たる |
| ホースカラー・タックル | 15ヤード(守備側の反則なら+自動ファーストダウン) | えりの後ろ(肩パッドの内側)をつかんで引き倒す |
| ヒップドロップ・タックル | 15ヤード+自動ファーストダウン | 相手を抱えたまま、自分の体重を相手の脚に落とすタックル。2024年から禁止 |
パス・インターフェアランスは、守備側だと「反則があった地点」から攻撃が再開されるため、ロングパスで反則が出ると一気に数十ヤード進むこともあります。試合を左右しやすい反則です。
5. 攻撃・守備どちらにも出る反則
| 反則 | 罰 | どんな反則 |
|---|---|---|
| アンネセサリー・ラフネス(パーソナル・ファウル) | 15ヤード(守備側の反則なら+自動ファーストダウン) | プレーが終わったあとのタックルなど、不必要に乱暴なプレー |
| フェイスマスク | 15ヤード(守備側の反則なら+自動ファーストダウン) | 相手のヘルメットのフェイスマスクをつかんでひねる・引っぱる |
| アンスポーツマンライク・コンダクト | 15ヤード(守備側の反則なら+自動ファーストダウン) | 相手を挑発する(タウンティング)など、スポーツマンらしくない行為 |
| フィールド内の人数オーバー | 5ヤード | スナップのときに12人以上いる |
6. キックの場面の反則
| 反則 | 罰 | どんな反則 |
|---|---|---|
| ラフィング・ザ・キッカー | 15ヤード+自動ファーストダウン | キッカーやパンターに激しく当たる |
| ランニング・イントゥ・ザ・キッカー | 5ヤード | キッカーやパンターに軽く当たる |
| フェアキャッチ・インターフェアランス | 15ヤード | フェアキャッチの合図をした選手の捕球を妨害する |
7. 知っておきたい反則の決まり
ディクライン:罰を「断る」こともできる
反則を受けたチームは、罰を受け入れるか断るか(ディクライン)を選べます。たとえば守備側がオフサイドをしたのに、攻撃側がそのプレーで20ヤード進んだなら、5ヤードの罰より20ヤードの前進を残したほうが得です。
オフセット:両チームが反則したら
同じプレーで両チームが反則をすると、多くの場合は罰が相殺(オフセット)され、そのダウンをやり直します。
ハーフ・ザ・ディスタンス:ゴールの近くでは「半分」
罰退の距離が、反則したチームのゴールラインまでの距離の半分を超える場合は、残り距離の半分だけ下げます。自陣4ヤードから10ヤードの罰退なら、2ヤード下げて2ヤード線から、という具合です。
退場になる反則
挑発(タウンティング)や侮辱的な言動などのアンスポーツマンライク・コンダクトを1試合で2回すると、その選手は自動的に退場になります。特に悪質な反則も、1回で退場になることがあります。
アメフトのルール・ガイド(全9本)
反則一覧:黄色い旗と罰退ヤード
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出典:NFL Football Operations(2025年版公式ルールブック、ルール変更の発表)。反則の名前は英語の読みをカタカナにしたもので、中継によって呼び方が少し違うことがあります。写真:2019年のフレズノ州立大対空軍士官学校の試合(大学)。U.S. Air Force(パブリックドメイン/Wikimedia Commons)。図版:TOUCHDOWN FLICKZ作成。



