4年連続でスーパーボウルに出場し、4年連続で敗れたチーム。それでもファンは離れず、ほかのチームの選手にまで「恩返しの寄付」を送る――。バッファロー・ビルズは、NFLでいちばん「人情」が語られるチームかもしれません。2026年は新スタジアム、36歳の新ヘッドコーチ、MVP経験のあるQBジョシュ・アレンで迎える「今年こそ」の1年です。
基本データ
| 本拠地 | ニューヨーク州オーチャードパーク(ハイマーク・スタジアム)。NY州でホームゲームをする唯一のNFLチーム |
|---|---|
| 創設 | 1959年(AFL)。1970年のリーグ合併でNFLへ |
| 所属 | AFC東地区(ドルフィンズ、ペイトリオッツ、ジェッツ) |
| タイトル | AFL優勝2回(1964・65年)。スーパーボウルは4回出場・優勝0回 |
| ヘッドコーチ | ジョー・ブレイディ(2026年就任。就任時36歳はリーグ最年少) |
| 2026年の成績 | 4勝1敗・AFC東1位(第5週終了時点) |
どこのチーム?
ロゴはチームの紹介のために掲載しています。権利は各チーム・NFLに帰属します。ニューヨーク州の西の端、カナダとの国境に近いバッファローの郊外、オーチャードパークが本拠地です。同じ「ニューヨーク」でも、ニューヨーク市からは遠く離れています。

4年連続で、頂点の一歩手前
1990〜93年シーズン、ビルズは4年続けてスーパーボウルに進み、すべて敗れました。最初の第25回はジャイアンツに19-20。試合終了間際のフィールドゴールが外れての1点差負けでした。その後もレッドスキンズ(現コマンダーズ)、カウボーイズに2年続けて敗れています。
「Bills Mafia」は、恩を寄付で返す
- 2017年:他チーム(ベンガルズ)のQBアンディ・ダルトンのTDパスで、ビルズの17年ぶりのプレーオフ進出が決定。ファンは感謝として、ダルトンの財団に約1.7万件・45万ドル超を寄付しました。
- 2020年:ジョシュ・アレンの祖母が亡くなると、背番号にちなんだ17ドル単位の寄付が地元の小児病院の基金に集まり、100万ドルを超えました。
- 2023年:試合中に倒れたダマー・ハムリンの財団のおもちゃ募金(目標2,500ドル)に、全米から約860万ドルが集まりました。
「Bills Mafia」という呼び名は、2010年ごろのファンとESPN記者のSNS上のやりとりから広まったとされています(名付け親には諸説あり)。
2026年:9年続いた体制が終わり、新HCへ
2026年1月、9シーズン率いたショーン・マクダーモットHCを解任。攻撃コーディネーターだったジョー・ブレイディが昇格し、攻撃はピート・カーマイケルJr.、守備はビルズOBのジム・レナードがコーディネーターに就きました。開幕から3連勝したあと、第4週に同地区のペイトリオッツに26-29で敗れましたが、第5週はロサンゼルスでラムズと延長戦の末に37-34で勝利。ラムズの決勝フィールドゴールをブロックしたあと、タイラー・バスの45ヤードのフィールドゴールで試合を決めました(日本時間10月13日の朝)。
現地の声
“These ones sting. The division ones sting.”
(地区のライバルに負けるのは、こたえる)QB ジョシュ・アレン、ペイトリオッツ戦の後(2026年10月4日、Athlon/Yardbarker)
“We’re kind of a boom or bust defense, and that’s not okay long-term.”
(うちは当たり外れの大きい守備。このままではダメだ)守備コーディネーター ジム・レナード(2026年9月21日、Roundtable)
“…probably the loudest one we’ve had.”
(たぶん、今までで一番うるさかった)TE ダルトン・キンケイド、新スタジアム初戦の後(2026年9月18日、buffalobills.com)
地元記者の見方では、The Athleticのジョー・ブスカリア記者が、アレンの今季を「キャリア最高級の滑り出し」と評価しています(9月19日)。一方で、ターンオーバーの多さや守備の不安定さを指摘する声も多く、Bleacher Reportは序盤のブレイディHCに「B」の評価をつけました(10月10日)。
キープレーヤー:QB ジョシュ・アレン(#17)
- 2018年ドラフト1巡目全体7位で入団。身長196cm、強肩で走れるQB。
- 2024年にリーグMVP。ビルズの選手では1991年のサーマン・トーマス以来。
- 2025年3月に6年3.3億ドルで契約延長(2030年まで)。
- 2026年は4試合でパス6TD・ラン7TD。第4週に、攻撃での通算TDが88回となり球団記録を更新。
- 膝の不安を伝える報道には、本人が「事実無根。絶好調だ」と否定しています(Newsweek、10月8日)。
Instagramでチェック
チーム公式:@buffalobills
注目の3人:
- ジョシュ・アレン(QB):2024年のリーグMVP。今季もパスとランでチームを引っぱるエース @joshallenqb
- ジェームス・クック(RB):2025年のNFLラン獲得ヤード1位。今季も第4週までに421ヤード @___thegreat4
- グレッグ・ルソー(OLB):第4週までに6.0サックでNFLトップ。2026年9月のAFC月間最優秀守備選手 @gregrousseau
アカウントは認証済みの本人アカウントを確認して掲載しています。成績の出典:Pro-Football-Reference、buffalobills.com。
新ハイマーク・スタジアム
2026年に開業した新スタジアムは、旧スタジアムの道路をはさんだ向かいに建てられました。座席数は60,108、屋根は座席の64%を覆い、総工費は21億ドル(ニューヨーク州知事室)。屋根が全面でないのは費用面に加え、雪の中の試合という伝統を残すためとも言われます。こけら落としの公式戦はライオンズに41-31で勝利。選手からは「今までで一番うるさい」という声が出た一方、ビジョンが小さいといった不満も報じられています。
ユニフォームに刻まれた歴史
- 赤ヘル時代のヴィンテージ:1987〜2001年の赤いヘルメットは、4年連続スーパーボウルの時代の象徴。
- 立ち姿のバイソン:1960年代のロゴを使ったスローバック。特別な試合で今も復活します。
- Zubaz:90年代のストライプパンツ。バッファローでは今も試合日の定番です。
知っておくと、もっと楽しい
- タッチダウンのたびに流れる「Shout」は1993年からのチームソング。
- 試合前にファンがテーブルに飛び込む名物は、2015年ごろから広まったとされます(発祥は諸説あり)。
- バッファローウィングはこの街が発祥とされます(1964年のアンカー・バー説が有名ですが、諸説あり)。
こんな人におすすめ:負けても愛される物語と、悲願の初優勝を一緒に見届けたい人。
主な出典:NFL.com/Pro-Football-Reference/buffalobills.com/ニューヨーク州知事室/ESPN/The Athletic/Athlon・Yardbarker/Roundtable/Newsweek/Bleacher Report/Sports Illustrated/WBFO/theGrio/SportsLogos.net/WKBW/America’s Test Kitchen
写真:All-Pro Reels(CC BY-SA 2.0)、Wikimedia Commons



